ツイより長めのはけぐち

ツイには載せきれない推しごととか趣味とか思ったこと。

キツネの話

2021年12月19日、福島 2nd LINE。

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 初めての定期公演以来のライブは悲願の大阪でのライブだった。朝からの仕事を終えて全力で向かって会場に着いたのは開演時間ちょうど。満員のフロアの1番後ろで見届けることになったけど間に合って見れるだけでも有難かった。

 曲が始まってしばらくして後ろを見ると関係者エリアで黒い衣装の4人の女の子がステージをまっすぐ見つめていた。出番前に対バンのことちゃんと見て勉強してエラいな…それが第一印象。その子たちが誰か分かったのは2番手としてステージに立っているのを見てからだった。初めて見たQuubiのライブ。普段からよく聴くロック系の曲。推しの現場しか行くことがなかったからポップや振り切ったハードコアの曲ばっかりでこんな真っ直ぐなロックで勝負してる子たちがいるのかと驚いた。出番が終わってからもまた後ろで他のグループのライブをじっと見つめていた。

 その週の金曜日、仕事終わりでも開演に間に合いそうだったので単独イベントに足を運んだ。客席にはバンドTを着た人がたくさんいてこれまで行っていたアイドル現場とは気色が違った。何より1番の違いは誰もペンライトを持っていないこと。着いてすぐ始まったライブは相変わらずMC少なめ。「来年Quubiはもっと大きくなる、クアトロでライブをやる夢を叶えたい」本編ラスト、フロアを見渡しながら話した金髪の子の言葉は力強かった。

 年明けから何回目かのライブで初めての特典会。ライブではほとんどMCが無く話す感じとかも分からなくて不安だったけどステージとは別人みたいな笑顔で思いきり関西弁。

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「これからもっと楽しませるからまた来てな」

 とにかく曲が好みなのがライブに行く理由だったけど同じ曲でもライブのたびに振付が少しずつ変わっててその違いを探して答え合わせするのが楽しかった。当時の持ち曲は6曲、5月に新曲がリリースされるまでほぼ毎回同じ曲で順序違いのセトリ。ひたすらパフォーマンスを確実に磨き続けてく姿が見届けられたのもそれまでになかった面白さだった。

 夏。イベントがたくさんあった中で行けた夏フェスで同じ日の出演だったのは有り難い偶然だった。両方楽しむために分刻みで走り回った。

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「横浜初めてで不安やったけど大阪から来てくれて跳んでくれてるの見て安心したわ」

 大事なライブは行って当たり前、離れてても行けなきゃ罪悪感しかなかった推し事。楽しさと苦しさの日々も彼女の言葉に救われた気がした。東京と大阪、両方同じくらい応援したい気持ちが傾き出したのは翌日の出来事も含めて間違いなく@ JAMだった。

 10月。クリスマスに夢だと話したクアトロライブをバンド形態9人体制のワンマンという形で叶えた。振付がマイナーチェンジしていたのも全てはこの形態のためだったと思えるような、それまでの試行錯誤を全て昇華した完璧なライブだった。そして終了後発表されたバンド体制でのツアー。ここから先へ、もっと上へとを挑み続けるスタイル。気付けばアイドルの枠を越えて楽しみをくれる存在になっていた。

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 「あのころアイドルのことが分からなかったから勉強したくて4人揃って後ろでよく見てた。てかそんなとこ見てる人おるんやな笑」

 初めて見て1年。ライブに行くようになったきっかけを伝えた。真面目に取り組む姿はこれからもっとたくさんの人に届いていくと思う。

 

 もしあの日、仕事が抜けれず行けてなかったら、もっと早く着いて整理番号通り前で見ていたら、ライブ中に後ろを振り返らなかったら…。

 

 偶然大阪で見つけた新しい推しの話。